「Fuego」はオープンソースで開発されている囲碁の思考エンジンです(Fuegoとは、スペイン語で「火」の意味だそうです)。ここ最近、コンピュータ囲碁において非常に大きな成果を挙げている、モンテカルロというアルゴリズムを採用していて、フリーで手に入る囲碁ソフトとしては最強クラスの実力があります(特に9路盤など、小さな碁盤サイズで強いです)。Fuego自体は思考エンジンのみのソフトで、人間が普通に遊ぶためには別途GTP(Go Text Protocol)というプロトコルに対応したGUIフロントエンドソフトが必要になりますが、このページでは、GoGuiというソフトを使って、このFuegoと対戦する方法を解説したいと思います。一応、Windowsを念頭に書いていますが、MacやLinuxでも基本的に同じように遊ぶことができると思うので、ぜひ試してみてください。
Fuegoは非常に強い囲碁ソフトですが、モンテカルロというアルゴリズムの特性上、打つ手に少し癖があり、人間が見るとかなり不自然に思えるような手を打ってくる場合があります。ですので、もしも囲碁を始めたばかりの初心者の方が、棋力の向上を目的として対局するのであれば、こちらのサイトの囲碁対局ゲームか、GNU Goという別のソフトとの対局をおすすめします。GNU Goの遊び方については、こちらをご覧ください。
まず初めに次のサイトからFuegoをダウンロードしましょう。バージョンはSVN
と書かれていない方が無難です。
→ http://gnugo.baduk.org/
次にGoGuiです。
→ http://sourceforge.net/projects/gogui/
この2つのソフトのインストールは、ダウンロードしてきたファイルを適当な場所で解凍するだけです。
GoGuiの実行にはJava仮想マシンが必要になります。大抵の環境では、おそらくすでにインストールされていると思いますが、そうでない場合は、Java仮想マシンをインストールしてください。
準備が整ったら、先ほどGoGuiを解凍してできたフォルダの中にあるlib\gogui.jarをクリックしてGoGuiを起動します。クリックしても起動しない場合は、拡張子jarがJavaに関連付けされてないと思いますので、関連付けの設定を行うか、[スタート] - [ファイル名を指定して実行]で
javaw -jar C:\path\to\gogui\gogui-1.1.9\lib\gogui.jar
などとして起動してください(C:\path\to\gogui\gogui-1.1.9は適宜読みかえてください)。
GoGuiを起動できたら、まずメインメニューの[Program] - [New Program...]の[Command]の欄に先ほどFuegoを解凍してできたフォルダの中にあるfuego.exeへのパスを設定し、メインメニューの[Program] - [Attach]からFuegoを選択します。ここまでは初回のみに行う一回きりの設定です。
そして、ここからはGoGuiを起動するたびに行う設定です。まず、メインメニューの[Game] - [Board Size]で碁盤の路数、[Game] - [Handicap]で置石の数、[Game] - [Game Info]でコミと考慮時間を設定します。[Game Info]のダイアログに[Rules]と言う項目がありますが、この欄ではどうやらルールの設定ができないようですので、代わりに、メインメニューの[Tools] - [Analyze Commands]のたくさんあるリストの中の[Go Param Rules]をクリックし、そこで出てくるダイアログで設定します。設定しないといけないのは2箇所だけ。1つ目は[Japanese scoring]です。日本ルールの対局をする時は、ここにチェックを入れます。ただし、ここにチェックを入れるとFuegoは少し弱くなります。2つ目は[Ko rule]です。普通のコウのルールにしたければ[Simple]にしてください。スーパーコウルールの場合は、[Superko]を選択します。
ではここまでの設定ができたら、さっそく対局を開始してみましょう。左から3番目のアイコンをクリックすると、新規対局を開始できます。
このままの状態ならあなたの黒番での対局になります。白番を持ちたい場合は、ここで左から5番目のアイコンを一回だけクリックします。
パスしたい場合は、左から4番目のアイコンをクリックします。
終局後の地の計算は、メインメニューの[Game] - [Score]で自動的に行われます。先ほど、[Japanese scoring]にチェックを入れなかった場合は、出てきたダイアログの[Result Area](地と石の数で計算した対局結果)の欄を、チェックを入れた場合は[Result Territory](地のみで計算した対局結果)の欄を確認してください。ただし、この地の自動計算の機能は正確でない場合があるので、盤面の表示を見ておかしいようならば石をクリックし死活の状態を正しく直す必要があります。
以上、GoGuiを使ったFuegoの遊び方の簡単な解説でした。Fuegoとの対局を楽しんでください。
[ Last Update : 2009/5/23 ]