[以前の関連記事] : COSUMI 5周年
[以前の関連記事] : COSUMI 10周年
今日2023年5月26日で、COSUMIは開始から15周年を迎えることになりました。
囲碁ブラウザゲーム COSUMI
https://www.cosumi.net/
15年という数字に特別の切りのよさを感じているわけでもないのですが、10周年の時に「最低でもあと5年は続けたいなと思っています」と書いたので、それを今一度ここで更新させてください。今日からまた、最低でもあと5年は続けます。そして、それ以降については時代に決めてもらいたいと思っています。
ここ最近、私がCOSUMIとさよならするタイミングについて、本当によく考えるようになりました。開始当初はこれっぽっちも想像しなかったことなんですが、それは私がぽっくり逝った時になる可能性も高くなってきたように思います(笑)。で、もしそうなると、みなさんに結構な迷惑を掛けることになりそうなので、どうしたものかなとも思ったり… 本当にまだなにも調べていませんけど、ドメインを買ってくれて、その1/30の価格で1年間、最大30年使わせてくれるサービスとかないかな?
直近1年間(2022年5月26日~2023年5月25日)にCOSUMIが打った総手数(COSUMI側だけ。ユーザが打った手数は含まず)は、計2,286,711,427手でした(実際はもうほんの少しだけ多いのですが、正確にはちょっと分からず…)。平均して190,559,286手/月、6,264,963手/日、261,040手/時、4,351手/分、72.5手/秒ぐらいになります。一番最後の秒あたりの手数に10.0(以前から使っているこの数字、これは10.5ぐらいの方がより正確かもですが…)を掛けると、だいたいその時の対局数になりますので、平均725面打ちぐらいですね。もうきちんと調べはしませんが、この15年間での平均は400面打ちとかだと思うので、だとすると延べ対局時間は6000年ぐらいでしょうか? なんだか大ごとになっちゃいましたね(笑)。このまま続けさえすれば、来年中には夢の1億敗も達成できそうです。
COSUMIに関わってくださった全ての方に、改めて心からお礼申し上げます。15年間ずっと、私はとても楽しかったです。
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以下は、先日少し話題になっていた本因坊戦の縮小のニュースなどに関連して、15年間COSUMIを続けてきた私が、日本の囲碁界(日本国内に話を限定しています。ご注意ください!)について思うことを、少し長くなりますが書いておきたいと思います。このブログに以前書いたこととの重複もかなりありますが、ご了承ください。
「囲碁の人気が無くなってきて…」みたいなことを、囲碁の人たちは本当に頻繁に口にします。では、一体どれぐらい人気が無くなってきているのでしょうか? この話題について考える時、どうしても避けられないのがヒカルの碁の影響ですが、2023年現在は、直接的な影響についてはほぼ無くなったと言っていいと思いますし、漫画の連載開始が1999年らしく、今から25年前の1998年なら全くその影響が無かったわけなので、ここではこの2つの時点での比較をしてみたいと思います。まずはじめに、プロ棋戦の人気について考えます。人気なんていうと不正確な話になりやすいので、ここではそれを、新聞や雑誌で読んだり、テレビやインターネットの動画配信で観たりなど、どのような手段を通じてでもよいので、誰かがプロ棋戦を消費している時間をすべての人で合計したものと定義して、その定義での私の推測は、2023年現在は1998年の1/3ぐらいになっている、というものなんですが、おそらくこれは多くの方が概ね同意してくれるような数字ではと予想します。次に今度は、誰かが囲碁の対局をしている時間をすべての人で合計したものを考えてみたいのですが、これは1998年と2023年現在とではあまり大きく変わらない、というのが私の推測です。そしておそらくですが、多くの方はこれには同意されないでしょう(まあそもそもの話、これが減っていなければ、「囲碁の人気が無くなってきた」とは普通言わないわけで…)。大幅に減っているはずだと考える人が大半なのでは? ですけど試しに、席料の要る碁会所のような集まりでの対局、要らない集まりでの対局、もっと個人的な2人だけでの対局、ネット碁会所での対局、コンピュータとの対局など、全ての囲碁の対局が行われるシーンの数字を、ひとつひとつの積み上げて比較してみてください。ぜひ一度、頭の体操だと思って少し時間を取って本当にやってみて欲しいのですが、「あれっ、意外と減ってないかも」という気がしてきませんか? 実際、上で書いたように、この15年間のCOSUMIだけでも、もともとゼロだったものが平均725面打ち、それを国内に限定して×0.72の平均522面打ちになっているんですよ? この分だけでも、代わりに減った部分を見つけるのは結構大変なことだと思いますが… 以前から、「コンピュータとの対局」量は乱暴に推測された時に、実際よりもかなり小さく見積もられる傾向があると感じていて、おそらくそれは、誰かが行う「人間との対局」は最低1人にそれが観測されるのに対して、「コンピュータとの対局」は全く誰からも観測されないことも多い、という事実に起因していると考えています。COSUMIのことを知っている人に、「直近24時間中、COSUMIで一番たくさんのユーザが打っていた時間帯では、何人の人が対局していたと思う?」と質問すると、多くの方が100人以下と答えるのではないでしょうか? ですが、実際は1200~1500人です(加えて言うと、この5年間ぐらいは、メンテナンスなどでサーバが止まった時とその前後以外、一瞬たりとも100人以下にはなっていないはずです)。そして、10000人以上だと答える人は一人もいないでしょう。
で、ここから先は、この「対局時間は減っていない」という私の推測を正しいものとして話を続けさせていただきたいのですが、まあ正直、ここまで来ても多くの方はその前提に同意されないでしょうし、その場合は、ここで読むのやめていただいて結構です。まだ先は少し長いので…(笑) これに関しては、誰もきちんとした数字を出しようがないと思うのでどうしようもないですね。
以前から強く感じていたことなのですが、多くの人(これは囲碁をやる人に限らず)が上の「プロ棋戦の観戦」と「自身の対局」の2つ(や他の囲碁の楽しみ方)を、典型的な補完財だと思いこんでるような気がしています。「自身の対局」のために「プロ棋戦の観戦」し、「プロ棋戦の観戦」すると「自身の対局」もやりたくなるでしょと。コーヒーと砂糖の関係ですね。確かにそのような側面があるのはもちろんのことなのですが、それと同時に、この2つにはかなり強い代替財の側面もあると私は思っています。例えばそれは、誰かの囲碁な欲求が片方だけで満たされてしまうことがあるからだったりでもありますが、それ以外にも、仮に両方を望んでもどちらか片方だけしか選択できないということが、実際は結構多いんですよ。多くの場合、それは自由時間の少なさが原因で。以前、このブログで書いたことですが、COSUMIでは平日の12:40あたりで、いつもちょっとした対局数のスパイクが発生します。データが少し古いですし、今はもう少しマイルドなようですが、その時載せた、時間帯別にCOSUMIが打った手数のグラフがこれです。
COSUMIに纏わる数字の話
http://www.perfectsky.net/blog/?p=273
生活リズムなんて本当に人それぞれだし、海外からのアクセスだって無いわけではないのに、これだけはっきりした形が出ていました。さっきカルピスを飲んだ。後で風呂上りにビールを飲むつもり。そんな時に誰もコーヒーと紅茶の両方を飲んだりはしません。お腹たぷたぷになっちゃう(笑)。そんなわけなので、「プロ棋戦の観戦」量と「自身の対局」量の推移に大きな乖離が生まれるのは、なにも不思議なことではないんです。そして、これがまた結構重要なことだと思うのですが、この自由時間の少なさに由来する代替財の側面は、1998年よりも2023年現在の方が強くて、今後も時代が進むにつれてさらに強くなっていくと思います。
最後に、ここまで長々と続けてきたこの話の最終的な結論なんですが、それは「プロ棋戦の人気をどうにかしたいなら、プロ棋戦自体をどうにかするしかない」ということです。いやいやここまで引っ張ってきてそんな当たり前のことをと言われるかもしれませんが、これ同じことを主張される方が本当に少ない。代わりに「囲碁人口をもっと増やさないと」とか、そんなのばっかりじゃないですか。先日の本因坊戦の時も、二日制やめるな、リーグ廃止するなと、棋戦の変更を嫌う声の方がよっぽど多いですからね。まあ、そういうことを言っている人が、必ずしも「プロ棋戦の人気をどうにかしたい」人ではないのかもしれませんが、さすがにもう少しちゃんと現実を見た方が良い。隙間時間に囲碁したい気持ちを、ある意味強く意図せず、しかし結果的にかき集めることになったが、今のCOSUMIです。雨の日にアクセスが大きく増えるのもそういうこと。2023年に必要なのは、10分で消費できるプロ棋戦コンテンツであって、二日制ではありません。